経営管理ビザ Q&A

更新:2020年8月14日

行政書士 佐久間毅

Q: 経営管理ビザへのリニューアルによって何が変わりましたか?

 A: 外国資本の会社でなくても、経営管理ビザの対象となります。

経営管理ビザにリニューアルされる前の投資経営ビザの時代にあっては、投資経営ビザ

は、外資系の会社の経営管理者のみを対象としていました。日本企業の外国人経営者に

は、人文知識・国際業務ビザなどが交付されていたのです。

これにはそれなりの沿革があり、実は昭和の時代には、外国資本の会社の経営者に交付

するビザのカテゴリーがなく不便であったところ、平成元年にこの不便を解消するため

に、外資系企業の受入促進のために投資経営ビザの制度が新設されたのです。

ところがそれから四半世紀が経過して、外資系企業の存在が当たり前になると、今度は、

日系企業の外国人経営者と外資系企業の外国人経営者に異なる在留資格が与えられてい

ることの不都合性が指摘されるようになり、2015年の改正で、両者共に経営管理ビザが

与えられることとなりました。

Q: 新設会社のいわゆる創業者でなくても、経営管理ビザは認められますか?

 A:はい、昔からある企業の経営者も経営管理ビザの対象です。

日本の大手の自動車会社の経営陣を見ても、外国人の取締役の存在が当たり前になりは

じめています。このような既存の会社の外国人取締役のような方も、経営管理ビザの対

象です。創業者・起業家のみを対象としたビザではありません。

Q: 短期滞在ビザで来日することはできますか?

 A:ケースバイケースです。

日本法人の経営者に就任して登記され、かつ、日本法人から報酬を受領するのであれば、

たとえ会議や業務連絡や商談のために来日する場合であっても、商用の短期滞在ビザで

の来日は違法となります。たとえば、経営管理ビザは営利を目的としないNPO法人の

経営者にも付与される得るところ、NPO法人の理事などであれば無報酬ということも

考えられるかと思います。


この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。執筆サイト:配偶者ビザほか多数。